移住・定住の魅力とは?需要が高まる田舎暮らしのメリットやサポート Vo.9

近年、多くの市町村では、地方創生として移住者を募るために、公的な移住・定住サポートを積極的に行っています。都会ではできない暮らし、田舎だからこそのメリットが注目され、地方への移住・定住のニーズは高まりつつあるのです。

今回の記事では地方への移住・定住のニーズ、メリット・デメリット、各市町村のサポートについてご紹介します。

移住・定住のニーズは高まっている?

「移住」というと、リタイア世代のセカンドライフとしての需要をイメージしがちですが、実は若い世代の移住も目立ってきており、地方に移住することの新しい価値観が注目を集めています。

多様性のひとつが「移住」

一昔前は「地方から都会へ」があたりまえでしたが、ここ数年は逆に「都会から地方へ」という意識が高まりつつあります。

都会の慌ただしい生活を離れ、自然豊かな田舎でのんびり暮らしたい、よい環境で子どもたちを豊かに育てたい…、そういった思いを持った20~30代の若い世代が地方に移住するケースが増えています。

「生き方の多様性のひとつ」として地方移住、田舎暮らしの幸せという新たな選択肢が生まれているといってもいいでしょう。

移住後も「定住」サポートがある

地方移住のニーズの高まりを受けて、役所は移住後の定住サポートを積極的に行っており、年々地方移住を促進する動きが全国各地活発になってきています。

各市町村によってその補助制度の種類ははさまざまですが、定住を目的とした住宅の購入やリフォーム代に補助金がでるところが多いです。

短期的な定住ではなく、何年も住む、その場所で子どもを育てていくという場合は定住先の補助制度を詳しく確認したほうがいいでしょう。定住先を検討する際もどの程度の補助が受けられるかを見極め、それぞれの補助制度を比較検討することをおすすめします。

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移住・定住のメリット・デメリット

移住・定住のメリット・デメリットについて見ていきます。

メリット

移住・定住のメリットで最初にあげられるのは生活コストの減少です。土地代や家賃の高い都会に比べると、地方は住宅コストが大幅に下がります。この点は大きなメリットです。

また、自然豊かな場所で落ち着いた住環境を実現できるというのも、地方移住が人気である理由のひとつです。都会のように毎日、満員電車に乗る必要はないですし、街の雑踏に悩まされることもないので、心身共にリラックスして日々を過ごせます。
少し歩けばのどかな田園風景がある、緑が多いなど、空気がよどみがちな都内に比べたら住みやすい場所でしょう。

移住地域で起業する場合にはサポートも受けられるメリットもあります。

デメリット

都心に比べたら私鉄の数も少なく、運行頻度も少ないので不便と感じてしまうことが多いでしょう。そのぶん車移動が基本となりますが、広大な土地のため職場や目的地が遠く移動時間もかかりがちです。

また、お店や娯楽施設の数が少なく選択肢が狭まるといった点もデメリットといえます。あとは地方ほど自然災害の影響を受けやすいという点は頭に入れておいたほうがいいでしょう。

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移住・定住者に対するサポートは?

実際に移住・定住した世帯に対してどのような公的サポートが行われているかを、北海道と埼玉県の2つのエリアを参考までにご紹介します。

北海道・三笠市の場合

新千歳空港や主要都市に囲まれた三笠市は、北海道エリアの中でも人気の移住エリア。「住みたい田舎ベストランキング」で2018年には、北海道エリアでベスト3にランクインしています。
移住・定住のサポートは、以下の内容となっており独身者や既婚者、子供からお年寄りまで幅広い世代に向けた手厚いサポートが受けられます。

  • 就業・就農・起業支援

遠距離通勤助成、シングルマザー安心サポート事業、農業者向け優遇制度

  • 住宅支援

新婚世帯や若者世帯に対する引越費用・住宅賃借費用の助成、住宅取得費用のサポート

  • 子育て支援

保育料などの実質無料化、紙おむつ購入費サポート、小学校の給食費無料化

  • 医療支援

身体障害者世帯に対する除雪サービス、高齢者バス利用の助成

埼玉県・行田市の場合

都心まで電車で1時間程度、主要駅の大宮駅まで30分程度とアクセスの良いエリア。また、城や古墳など史跡が多く自然に囲まれているので、都内に勤めていて田舎暮らしをしたい人にとってはおすすめの移住地です。移住・定住の支援は以下のような総合的なサポートが受けられるようになっています。

  • 就業・就農・起業支援

起業家支援、企業立地奨励金、小規模契約希望者登録制度

  • 住宅支援

住宅用太陽光発電システム設置補助、住宅用蓄電池設置補助など

  • 子育て支援

子育て世帯定住促進奨励金、早期不妊検査費助成、不妊治療費助成、少人数学級編制など

  • 生活補助

老朽空き家などの解体補助、木造住宅などの耐震診断・改修補助など

移住に関する補助・支援についてはこちらでも詳しくご紹介しています。

まとめ

移住・定住のサポートは各市町村でそれぞれに異なり、その制度の数も多いので、気になる土地や町があればホームページで調べてみましょう。

その後は「体験ツアー」に参加したり下見に行ったりするのもいいですし、住み心地を知るためにお試し移住として「試住」するのもおすすめです。支援と住環境を考えて、移住計画を立てましょう。