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- 移住は農業を始めるチャンス!公的サポートを活用しよう Vol.7
ここ数年、国や自治体は就農者を応援すべく、積極的に支援・補助金の交付を行っています。移住とともに就農するケースも多く、移住サポートのひとつとしてアピールする地域も少なくありません。
今回は現代の農業の新しい可能性や、国の公的なサポート、各地で行われている農業体験・農業セミナー・独自支援の情報などについてご紹介していきます。
大きなビジネスチャンス?就農するきっかけ
移住とともに就農するケースは、サラリーマンというビジネススタイルを脱却しのどかな土地で農業を始めたい、○○作りにチャレンジしたいなど明確な意思によるものが多いです。
そのほか、近年はIT企業が農業の分野に参入しています。ロボットやAI、IoT、バイオ、ドローンといった技術が農業と結びついた新しい形は「スマート農業」と呼ばれ、“次世代農業”として若い世代にとって大きなビジネスチャンスとなっています。
新規の就農には手厚いサポートが
「いきなり新規で農業を始めるなんて不安……」。そう思ってしまう人もいるでしょう。しかし、近年は新規に就農を行う人々に対して自治体や国、公的機関が積極的に支援を行っています。
現在、新規就農者の8割以上が公的な「助成金・奨励金」を利用しており、さらにこの助成金を受ける割合は若い世代ほど多く、20代は92%、30代は85%となっています。
就農者への助成金制度のひとつに、日本政策金融公庫が行う「農業次世代人材投資事業(旧青年等就農給付金)」があります。
これは新規就農者が無利子で国からお金を援助してもらえる制度です。この援助を受けるためには農業経営の目標を定めた「就農計画」を提出して認可を受ける必要があります。
ほかにも借入申込希望書、経営改善資金計画書、認定就農計画の認定書(写し)などが必要になります。また、就農前の研修資金も交付対象です。
地域独自の研修や農業体験もある
若者の就農を促進するために各地域では、独自の研修制度や農業体験が開催されています。関東圏を中心にいくつかご紹介しましょう。
東京都
東京都では「フレッシュ&Uターン農業後継者セミナー」が開催されており、就農したい人や新規学卒者向けの研修が実施されています。このセミナーでは2年間のカリキュラムを受けることで、農業における基本的・実践的な知識と技術および経営方法を学ぶことができます。
神奈川県
神奈川県では新規就農者向けの「かながわ農業アカデミー」という教育施設があります。基本は、1年コースと2年コース。3日間行う農業体験コースも開催。女性の就農希望者を対象とした「かながわ女性就農バスツアー」や「神奈川県女性農業体験研修」なども開かれています。
千葉県
千葉県では千葉県立農業大学校において就農者を対象にした「就農準備講座」が開かれています。農業次世代人材投資事業の条件を満たすことが必須ですが、農業の基礎的な知識を学べる講義だけでなく、農業体験を通して実践的な技術も確実に学ぶことができます。
おすすめは体験コースから
週末の休日を利用した農業体験も各地で実施されています。たとえば「1泊2日農家と交流体験ツアー」やグリーンツーリズムによる「農業実践教室」では週末の休みを利用して働きながら農業を学ぶことができます。
こうした週末体験の良さには、同じ志を持った就農希望者と交流・意見交換ができ、新しい人間関係が構築できるという点。
また、講座や農業体験と一緒に田舎暮らしの風情を楽しめるという点があります。本格的な就農研修の前に、一度農業がどのようなものか体験してみましょう。
雇用就農か独立就農どちらを選ぶか
就農の選択肢には主に「雇用就農」と「独立就農」の2つがあります。
雇用就農とは
雇用就農は雇用という形で月給をもらう働き方です。農家としてビジネスが確立されているところへ雇用されるので、生計を立てつつ農業に必要な知識や技術を学べるメリットがあります。
ただし、自分の作りたいものが作れない、労働時間の不満など、独立していないがゆえのデメリットもあります。
独立就農
独立就農はその名のとおり独立して、自分ひとりで農業することを指します。自分のやりたい農業を自由に行えるということが最大のメリットといえるでしょう。日々の時間の使い方や計画の立て方をコントロールすることが必要なので、知識・技術や適切な判断が求められます。
デメリットはやはり「収入の保証がない」ということです。ほかにも農地の開拓や必要な農機具の購入も自分でしなければなりませんし、収入が安定するまでの一定の資金も必要になります。独立就農には失敗の可能性があるということも理解しておくべきでしょう。
雇用就農と独立就農、どちらにもメリット・デメリットがあるので、自分は将来どういう生活を確立させたいかということを深く考えたうえで慎重に検討する必要があります。
まとめ
農業で生計を立てつつ田舎暮らしを満喫したいという人たちにとっては、国や自治体のサポートの活用は必須でしょう。次世代農業とライフスタイルを確立して、農家として経験を積んでいってみてはいかがでしょうか。